現代文化論叢

現代文化への「解釈」を探究する

ジャニヲタ研究大事典05:「認知」

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人間の本能か、ジャニヲタの中でも当然、「競争」が行われる。すなわち、自分が他のヲタクよりも、より優位であることを示すためにマウンティングを行う。

最も典型的なのは、自分が古参であることを示す方法である。「あの子がJr.のときはね」などと、他のファンが知らない昔の話を持ち出して、マウンティングするのである。

もう一つの方法は、自分がタレントに認知されていると主張することである。

認知とはタレントに、顔を覚えられていることを言う。名前も覚えられていることは必ずしも必要ではなく、認知されていると、ことさらファンサをもらう場合も多いという。

そうしたところから、逆に、ライブの中で頻繁にファンサをもらっているヲタクを、「認知されている」と判断することもある。そうした場合、その対象のヲタクは、羨望の対象となるよりむしろ、嫉妬の対象となり、叩かれることが多い。

また、タレント本人に対しては「認知を公言してはいけない」という暗黙の了解がある。特定のファンに対してだけ認知をしているのは、ファンの間に公認の不公平を生むことを意味しているからである。

 

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一方で、そのように「認知されている」と外から見て判断される場合、そのファンは、「お気に入り」を略しオキニと呼称される。ジャニヲタの中jには、推しのオキニにはどういったタイプが多いのかを調べることに余念がない者も多い。

もちろん、オキニにはその反対もいる。そうした場合、オキニになぞらえオキラと呼ばれるが、こちらはそれほど使用頻度が高い言葉ではない。

ジャニヲタの中には、推しから認知をもらうために遭遇に期待する場合も多い。例えばTwitterのアカウント「ジャニーズ遭遇ニュース@tokyojapan999」にはフォロワーが25万人以上いる。もちろん全てが、遭遇のための前調査というわけではないのだろう。

また、ヲタクの中では、推しの通っている学校などの情報が共有され、文化祭に乗り込もうとする者までいる。