ジャニヲタ研究大事典15:Myojo第26回 Jr.大賞2020結果の分析
本記事が執筆されたのは、2020年2月です。新しいグループ結成や、新型コロナウイルスによる公演の中止などは、あったとしても反映されていません。
Jr.大賞とは、毎年雑誌『Myojo』上で行われる読者によって行われる大規模な調査を指す。「調査」とは言っても、別に学術的なものではなく、ジャニーズJr.(以下、ジュニア)の面々のキャラを調査するものであると言っていい。
例えば「字がキレイそう」や「いちばんおもしろい」と言った部門が端緒だが、ここで明らかにされるのはジュニアのキャラであって、実態ではない。それを証明するかのように、読者投票の後に付される、ジュニア同士の互選による「Jr.が選ぶJr.大賞」の方とは結果が大きく異なる。
ジュニアであればジュニアのことをお互いに知っているため、そちらの方が実相に近いとも言えるし、ジュニアであれば別のジュニアがどういうキャラでやっていこうとしているか知っていて、忖度しているとも言える。
しかし重要なのは、いずれにせよ、そこに反映されているのが、極めて一面的な「キャラ」に過ぎないということだろう。
「恋人にしたい」部門
その中でも特に影響力を持つのが「恋人にしたい」部門である。大々的に発表*1されるこのランキングは、端的に人気度を示すと言ってもいい。
なぜこれほど重要かというと、第一に「恋人にしたい」というのが、アイドルにとって必須の資質であることに加えて、第二にこの部門で1位を獲ったジュニアは、過去26回では、西畑大吾と小原裕貴を除いて全員がデビューしているのである。
もちろん、ここにある「人気度」とは、単にファンの(このブログ上では「ジャニヲタ」と呼んでいる)数を示すのではなく、「ファンの人数×平均資金力」を示す。つまり、ファンの数が少なくとも、1人あたりが支出することのできる額が大きければ、ランキング上位に食い込むことが出来る。端的に言えば、「恋人にしたい」部門は、「ヲタクの力」を表すのである。
前回第25回の結果は次のようになっている。
- 西畑大吾(なにわ男子)
- 向井康二(Snow Man)
- 浮所飛貴(美 少年)
- 那須雄登(美 少年)
- 大西流星(なにわ男子)
- 高橋優斗(HiHi Jets)
- 松村北斗(SixTONES)
- 中村嶺亜(7 men 侍)
- 佐藤龍我(美 少年)
- 井上瑞稀(HiHi Jets)
- 橋本涼(HiHi Jets)
- 作間龍斗(HiHi Jets)
- 道枝駿佑(なにわ男子)
- 高橋恭平(なにわ男子)
- 京本大我(SixTones)
- 室龍太
- 渡辺翔太(Snow Man)
- 大橋和也(なにわ男子)
- 松田元太(Travis Japan)
- 松倉海斗(Travis Japan)
このうち、下線を引いたのは、今回のJr.大賞には不参加だった面々である。つまり、今回は前回と比べて上位20位のうち4名が「卒業」しており、何もしてなくても順位が4つ上がる計算になる。
特に当時話題になったのは、メンバー7人中5人が20位以内にランクインしたなにわ男子と、メンバー5人中4人が20位以内にランクインしたHiHi Jetsであった。
関西の躍進、HiHiの停滞
今回の結果は次のようになった。
- 西畑大吾(なにわ男子)前回1位±0(実動±0)
- 浮所飛貴(美 少年)前回3位+1(実動±0)
- 道枝駿佑(なにわ男子)前回13位+10(実動+8)
- 大橋和也(なにわ男子)前回18位+14(実動+9)
- 中村嶺亜(7 men 侍)前回8位+3(実動+2)
- 高橋優斗(HiHi Jets)前回6位±0(実動-1)
- 大西流星(なにわ男子)前回5位-2(実動-3)
- 那須雄登(美 少年)前回4位-4(実動-5)
- 井上瑞稀(HiHi Jets)前回10位+1(実動-1)
- 松田元太(Travis Japan)前回19位+9(実動+4)
- 西村拓哉(Lilかんさい)前回30位+19
- 佐藤龍我(美 少年)前回9位+3(実動+5)
- 作間龍斗(HiHi Jets)前回12位-1(実動-3)
- 高橋恭平(なにわ男子)前回14位±0(実動-2)
- 松倉海斗(Travis Japan)前回20位+5(実動-10)
- 長尾謙杜(なにわ男子)前回31位+15
- 中村海人(Travis Japan)前回23位+6
- 正門良規(Aぇ! group)前回21位+3
- 末澤誠也(Aぇ! group)前回37位+18
- 藤原丈一郎(なにわ男子)前回27位+7
ここから分かるように、実際には、抜けた5人の分、ランキングが上にずれたのではなかった。端的に分かりやすいところでは、女性とベッドの中に入っている2ショット写真が流出し、謹慎した橋本涼が前回11位だったのが、今回は20位内からも漏れている。
同時に寝顔の写真が流出した作間龍斗も、前回から順位を1つ下げただけに見えるが、実働では3つ下がっている。
それだけにとどまらず、大きな動きを見せたのがなにわ男子であった。おそらくファンの中でも、Snow ManとSixTONESのデビューを踏まえ、「次はなにわ男子」との意識が強まったのであろう、20位以内に全員がランクイン、平均で4.9位ランクを上げている。
これを評して、「関西の止まらない勢いを東京Jr.が追いかける!!」と評した編集部の言葉も然りであるが、目に付くのはHiHi Jetsの停滞感であろう。
前述した橋本・作間のランクダウンに加え、高橋優斗・井上瑞稀が実動では順位を1つ下げ、猪狩蒼弥は依然としてランクインしていない。フジテレビ系「RIDE ON TIME」というドキュメンタリー番組で特集されたり、単独公演を行うなど事務所からバックアップされている印象であることを加えて考えると、若干心もとない。
リア恋とは何か
「恋人にしたい」部門と異なるのが「私のリア恋枠」である。
ここで注目せられるのが投票者の声である。1位を獲った正門良規に寄せられた声である。
この「まわりにいそうで、絶対にいない、絶妙な感じ!」という指摘は、極めて絶妙である。つまり、リア恋において必要なのは第一に「周りにいそう」ということであり、それでいてアイドルであることと両立させるためには、第二に「絶対にいない」という要素が必要になる。
つまり、ここで一つのベン図を書くことができる。
このうち、黄色い方は「非アイドル的属性」=「周りにいそう」であり、青い方は「アイドル的属性」=「絶対に(周りに)いない」である。この2つが重なり合うところに、リア恋/リアコがある。
*1:『Myojo』2020年4月号では、1位に2ページ、2位と3位に1ページずつ、4位から10位に1/4ページが与えられた