現代文化論叢

現代文化への「解釈」を探究する

ジャニヲタ研究大事典08:「ビジュ」

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ビジュとはビジュアルvisualの略称であり、ジャニヲタ以外でも用いられる語である。

どの人であっても、日によって顔がむくんだり、二重であれば二重幅が変わったり、肌が荒れたりするだろう。その中で、動画や画像に写されたタレントのビジュが良いか悪いかは重要な問題である。

デビューしたユニットの撮影であれば、ビジュについて心配をする必要はあまり無いだろう。もちろん、動画の中で静止したその一瞬間の顔が良くないことはあるかもしれないが、雑誌に掲載されたりするような写真であれば、ビジュはかなり気を配られているだろう。

一方、デビューしていないジャニーズJr.であったりすると話は変わってくる。特に多数のジャニーズJr.が同時に一枚の写真に捉えられるとき、その全員のビジュが良いというのは、望むべくもない話である。したがって、ビジュにケチがつくようなこともある。

 

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アイドルを推すヲタクたちにとって、そのアイドルを推す理由は、顔面であったとしても、顔面だけではない。つまり、他の性格もまた推されるべきものなのだと考える。

そのため、顔に惹かれてファンとなった顔ファン(顔オタ)に対して、敵愾心を向ける。そうした事情から、「顔ファン防止」と称して、Twitterなどに推しのビジュが良くない画像を貼る場合もある。

もちろんSNSの特性上、それがそのまま顔ファン防止になることは少ないだろう。つまり、「この推しが良いのは顔面だけではない」というのをファンコミュニティの中で共有するためにそうしたことが行われていると言えるだろう。

一方、反対に、自分の推しの顔面以外の良さを伝えようとするポジティブな反応もあって、ステマと称して、長所や良いポイントが紹介されることも多い。ステマとは、ステルスマーケティングの略であったが、よく用いられるうちに本来の意味から離れて用いられた例である。