現代文化論叢

現代文化への「解釈」を探究する

ジャニヲタ研究大事典09:「同担拒否」

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私が、この先のジャニヲタ研究において、重要になると考える考え方が、この同担拒否である。

これは、端的に言えば、自分と同じ推しを推しているヲタクにたいして、強い拒否感を抱く発想を言う。

なぜこれが重要であるかというと、ヲタク文化における「推す」という概念が、「愛好する」ということの言い換えとして捉えられてきたからである。あるいは、その「愛好する」が高じて、「愛する」になるのだと解釈されてきたからである。

しかし、実際は違う。ヲタクたちは、確かにアイドルに対して、恋愛感情を抱いているのである。

このように、実際に恋愛感情を抱いてしまうことを「リアルな恋」を略してリアコや、リア恋と呼ぶ。

また、一時期流行った「#彼氏とデートなうに使っていいよ」のように、現実に恋愛しているような感覚を抱かせる場合、その感覚をリアコ感と呼んだりする。

一方で、これと対立するように見えて、実際には両立する概念にDDがある。これは「誰でも大好き」の頭文字を取ったもので、むやみやたらとたくさんの推しがいる場合に、蔑称のように用いられることが多い。

 

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このように考えると、同担拒否のヲタクはDDではありえないように思われる。つまり、同担拒否をするようなリア恋をしているのであれば、他の推しはいない=単推しだろうと思うわけだが、実際には違う。

同担拒否のヲタクの中に単推しが多いことは事実だが、複推しの場合もある。すなわち、リア恋でありながら、その対象が複数いる場合も往々にしてある。

こうした構図を説明することができなければ、おそらくジャニヲタ研究ができたとは言えないだろう。