本稿では担降り、みうごん、りいざ、匂わせ、有名希望、推し変について解説を行う。
この映画は傑作とは呼べないかもしれない。傑作を生みだしうる題材なのに。しかし得てして「事実は小説よりも奇」なるものであると同時に、事実は小説よりも「面白くない」ものである。 しかし、この作品が僕たちに突きつけるテーマは、それ自体熟考に値する…
「荒ぶる季節の乙女どもよ。」は、思春期の女子高生の姿を丹念に描いているのみならず、殊に最終回の描き方について言えば2019年随一の傑作と言っても差し支えないだろう。 「ありふれた職業で世界最強」は、異世界系の中でも、恵まれないタイプの異世界召喚…
大抵の物はピンキリで、高級品もあれば廉価な品もある。もちろんそれは値段に留まらない。例えば哲学者や小説家にしたところで、一流から三流まで、幅広くいる。 僕が唐突にそういうことを思ったのは、ふと聞いていたとある配信で、「高級チョコを食べてもキ…
本稿では、ジャニーズにおけるSNS、絡み垢、也、安定、デタカ、私信について解説を行う。
この作品について、まともに批評したブログというのに巡り合わなかった。 「考察」とは名ばかりで、その実際は中学生レベルの「感想」であるようなものや、「感想」と呼ぶのも憚られるようなレベルの低いものばかりだった。 ◆ まずもって、この作品が称賛さ…
アニメ「冴えない彼女の育てかた」は、丸戸史明の同名ライトノベルを原作にした作品である。 主人公・安芸倫也を中心に、サークルとしてゲームを作成していく高校生たちの姿が描かれる。 ◆ 僕が、種々の浅薄な反論を想定しリスクヘッジして、より温和なタイ…
LINEにオープンチャットという機能が追加されて、まだ日が浅い。少なくとも僕がこの記事を書いている頃は、まだぜんぜん世間に浸透していない。だが僕は、あるときふと思い立って、ある哲学カフェを称するオープンチャットに参加した。 当然、多くの人の予想…
アーレントは、「人間が地上の生命を得た際の根本的条件」に対応しているとして、〈活動的生活〉を3つに分類する。それが、①労働、②仕事、③活動である。 第一に、労働laborとは「人間の肉体の生物学的過程に対応する活動力」と定義される。つまり、人間は排…
本稿では、ヲタク、推し、推し事、○○担、単推し、箱推し、強オタ、強火担、貢ぐ、茶の間、数字、露出、回す、ファンネ、アラシック、とびっ子、俺足族といった語について解説を行う。
本当に良い作品に触れた後、アルコールを飲んだ後のような多幸感に包まれる。この恍惚は、何も作品の筋立てがもたらす多幸感ではない。むしろ、そうした作品は、受容者に絶望的な何かを突きつけることも少なくない。 しかし、ただその法悦は、カラヴァッジョ…
理論を知らぬ愚者の、ただ1つの旋律。 / 結月ゆかり ここまで来れば分かるでしょう。この楽曲は、音楽の一回性に挑戦して、「再現性ある音楽」の可能性をこそ実験しているということに。 アメリカ民謡研究会Haniwa序論:「二台のドラム、一本のベース、合成…
仮面ライダーとはいかなるヒーローか。 このような問いかけは、幾度となく繰り返され、その度に幾度となく答えが出され、幾人もを納得させてきた。 そうした解釈のほとんどが、おそらく正しい。 そうした解釈の、ほんの一部に目を通しただけであるが、この先…
新型コロナウイルスは、感染し、インフルエンザよりも高い確率で人を死に至らしめるウイルスであるという以上に、それに関わり、そのことを考えた人を馬鹿にするウイルスなのではないか。 その疑念がこの数日頭から離れない。 PCR検査をめぐって まずそのこ…
『新潮』2019年9月号に掲載された津村記久子「行列」は、同号に掲載された千葉雅也「デッドライン」よりも、ちょっと感動的なまでに良くできている。 内容は至極単純で、主人公の「私」(小川)が行列に並ぶという話である。冒頭は次のようである。 終電で最…
四弦奏者のための、孤独の奏法。 / 結月ゆかり 僕はこれまで2回の記事で、アメリカ民謡研究会Haniwaの楽曲における「再現性」と「ジャンル自体への疑い」というのが鍵になってくるという風に述べました。そして、そうした音楽を無化するような取り組みに比…
ジャニーズは文学である。それは、2点においてそうなのだ。今後ジャニヲタについて考えていく上で、踏まえなくてはならない事情について概説する。
VOCALOIDと区別される音楽の解釈。 / 結月ゆかり 前回、「二台のドラム、一本のベース、合成音声よりあなたへ。」を聴いたときに、この楽曲の特質は、音楽の一回性を否定してみせ、「実験」として再現性を持っているところにあるという話をしました。 今回の…
遊川和彦の作品は嫌いだ。理論的に、僕はそのように結論を出す必要がある。 僕は、「家族」という存在を過剰に重視するような現代社会に対して危機感を抱いているし、「家族」というものをそれほど重視していない。 しかし、遊川和彦は「家政婦のミタ」や「…
二台のドラム、一本のベース、合成音声よりあなたへ。 / 結月ゆかり アメリカ民謡研究会Haniwaの曲を順番に聞いていこうと思います。今回はその第一弾です。 僕は彼の楽曲がどういう順番で投稿されたのか、詳しく知らないのですが、とりあえずYouTubeで一番…